エヴァンゲリオン:Q

エヴァQ観ました。感想短めに。

短めに、というか正直に言うと一言、やっちまったな、だけで終わりなのですが。

冒頭15分の戦闘アンド各キャラ再登場は非常に熱かった。特に葛城ミサト艦長。三石琴乃の声が映える響く。ブンダーだかベンダーだか忘れましたが、飛行戦艦のカッコ良さも非常にグッドでした。

まさかそれで終わりとは思いませんでしたが。

この映画、いつも以上に複数回鑑賞を前提にしているとは思うが、それにしてもとにかく分かりにくい。画面で何が起こっているか追うのも忙しいのに、今起こっている設定が既知なのか未知なのかも分からん。エヴァMrk6が何なのか説明できるやつ何人おるのかしら。

ただ、ストーリーとしては物凄い単純。破から14年後の、サードインパクトが起きた世界。目覚めたシンジがかつての仲間たちから疎外されて、旧ネルフに戻り、渚カヲルといちゃいちゃして、エヴァ13号機に乗ってフォースインパクトを起こす、という話(だと思う)。

しかしこれが、解釈とか文脈での楽しみ方は置いておいて、極めて盛り上がりに欠けた。

問題は、分からんまんまなのに話だけがどんどん進んでいくことだ。僕のような馬鹿を基準にして書きますが、未知の要素が即座に共通認識として「設定」され、すぐさまぶち壊されるために思い入れが発生する余地がない。現状把握できていないものに更に未知を重ねる、というのは作劇法としては極めて不親切だし、結果としてその物語はあっという間に他人事になる。ガキの振る舞いで極めて重大な事件が引き起こされるかもしれないのにだーれも説明しない古臭い稚拙なディスコミュニケーション。これは「はぁ?」という人が多くてもスタッフは誰も文句言えないと思う。

最後のシン・エヴァンゲリオンでどうなるか相変わらず楽しみですが、それは「ここまでつきあったからまあしょうがない」という意味と、「これを最後盛り上げられたらマジで凄いな」という意味合いにおいてであって、これは観客相当離れるだろう。熱狂もないし、難しすぎるもん。

他の人の感想を聴いていると、この「やっちまう」のがエヴァンゲリオン、という意見が多くて、僕もその通りだとは思う。このQで物語のテンションが落ちるのは予想していたし、たぶん何回も観て、ああでもないこうでもないと言い合うのが楽しい作品だろう。

しかし僕が思うのは、単純に物凄く分かりにくくないか?(話語りが下手くそではないか?)ということです。同じ話を伝えるのでも、もうちょっとうまくできた気がしてならないのです。